杉田氏の事務所はマスコミ取材に対し「訴状が届いていないためコメントできない」と回答を事実上拒否する一方、こうした書き込みに自身が賛同することで反省の意思がないことを改めて示した格好となっています。
▽ダブルスタンダード
杉田氏が「いいね」を押したのは提訴翌日の2月13日にツイッターに投稿された四つの書き込みで、いずれも科研費の使途などに疑問を呈する内容でした。最初の二つのツイートは、原告の牟田和恵大阪大教授(ジェンダー論)らに支給された科学研究費(科研費)に関し「(経費明細が)公開されないと納得できない」「領収書を明らかにし(ろ)」などと使途の詳細の公開を求める主張。
周知のように科研費による助成は、日本学術振興会が審査し、領収証についても厳しくチェックする仕組みとなっています。もし、杉田氏がこれらのツイートに賛同を示すのであれば、ご自身に投入された血税の使途を領収証とともに全て公開しなくてはダブルスタンダードになります。
GEISTE氏が杉田氏に対する批判記事で「杉田議員の受け取っている文書通信交通滞在費(年間1,200万円)には一切の証拠書類の提出義務がない。杉田議員はいつまでたっても実在を立証できない『科研費の闇』などよりも、ご自身の『議員歳費の闇』をこそ見つめるべきではないか」と主張するのももっともです。
▽予算案には反対しない矛盾
杉田氏が次に「いいね」を押したのは、「科研費がお手盛り・・・という批判がある以上、国民の委託(付託?)をうけた国会議員が調査するのは当然の職務」とのツイート。これは審査に当たる学術振興会そのものに対する批判といえます。仮にこれに疑問があるなら、所管する文科省分を含む来年度予算案に杉田氏が反対しなければ辻褄が合いません。
▽「決して学問ではない」に「いいね」
問題は最後の発言です。「国内の資料を集め切っていない」「裏付けのない証言で騒いでいる」「決して学問ではない」というのは本当でしょうか?根拠を示して説明できなければ、誹謗中傷でしかありません。まさに研究自体を貶める内容で、「研究はねつ造」と主張した杉田氏同様に名誉棄損で訴えられてもおかしくありません。
慰安婦について「社会学系ではなく本来は歴史学系の研究対象」とありますが、歴史的事象をジェンダー論で読み解く研究は普通にありますし、「歴史社会学」「地域社会学」「都市社会学」など学際性を持たせた連字符社会学の研究者も少なくありません。
ツイ主は外国人の大学院留学生ということですが、一体どこの大学なのか気になります。
0 件のコメント:
コメントを投稿