Markup 桜ういろうログ: 上念司氏のツイートをファクトチェック(数値編)

2022年1月7日金曜日

上念司氏のツイートをファクトチェック(数値編)

経済評論家の上念司氏が9日、ツイッターで以下の投稿をしました。(★2018に執筆したまま公開していなかった記事です)
毎日新聞が中国共産党から「桁違いのお金をもらって」、その主張を代弁しているのだそうです。


上念氏がこうしたことを言い出す時はデマ警報が鳴り響くので、念のためファクト・チェックをしてみました。 まずは「桁違いのお金を貰って」は正しいのか?

リンク先を踏むと、上念氏のFacebook経由でnetgeekに飛び、ガーディアンが作成したイラストと要点が表示されます。



そこには「The Mainichi Shimbun 6・6m(660万)」と書かれ、ニューヨークタイムス(1・7m)、ウォールストリートジャーナル(1・3m)の4~5倍の数値が、これに応じた大きさの円とともに描かれています。 英デイリーテレグラフは370k、シドニーモーニングヘラルドはわずか103k、で、確かに上念氏の言うように「桁違い」の数値であります。


しかし、イマイチ何の数字なのかは判然としません。


上念氏の言うような「桁違いのお金」の量なのでしょうか。
660万ポンド(9億4千万円)?


イラストをよく見ると「Print circulation of publications carrying the state-sponsored insert(国家の支援を受けた折り込みを運ぶ出版物の発行部数)」と説明があります。


つまり「貰ったお金でもなんでもなく、発行部数を書いているだけ」なわけです。






毎日新聞の発行部数は全国で300万部程度で、660万部(6・6m)となると倍以上。
試しに「シドニー・モーニング・ヘラルド」の英文のwikipedia(出典明記が大事ですw)を見ると「Circulation 104,000 (February 2016)」とあり、イラストの「104k」と一致。




念のために英語版wikipediaの「朝日新聞」(出典明記w)を確認すると、発行部数は「6,572,195 (2016)」。 つまり約660万部でぴったりと符号しました。
おそらく英ガーディアン紙のミスと思われます。


で、確認メールを同紙に送っておきました。
同紙は訂正ページが設けられているので、反映されるといいのですが。












さて、次に「」という疑問が出てきます。
「チャイナ共産党の代弁」と上念氏が指摘しているnetgeekの要点は次の通り。


・中国は世界のメディアにお金を配って中国のことを良いように宣伝させている
・習近平の目的は中国のイメージアップ
・元々中国は国内でのみ情報操作していた
・しかし、チベットや台湾の問題などがBBCなどの海外のメディアで報じられてしまう
・そこで中国は金の力で世界的な報道を操ろうとし始めた
・メディアに広告を出し、スポンサーになれば簡単だ
・China Dailyは海外30紙(ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル)と提携して記事を発信している
・この借り船戦略だと、読者は真実を見抜くことができず、情報操作の報道であっても信頼性をもたせることができる


毎日新聞のことが全く書いていません(汗)


そこで 英ガーディアンの元記事を読んでみましょう。

ここにも毎日新聞どころか日本にも全く触れていません
ただ中国が経営する英字新聞「チャイナ・デイリー」の出す「チャイナ・ウオッチ」という4~8ページの別刷りを新聞に折り込んでいる記述がありますので、毎日新聞がnetgeekが要約した項目にある「海外30紙」のうちのひとつと理解するのが自然なようです。


実際に2016年8月25日、毎日新聞は「チャイナ・ウオッチ日本語版」の配布を、首都圏など1都6県で配布すると発表しています。


先ほども書きましたが毎日新聞の公称部数は約300万部です。
しかし、これにすべて別刷りのチャイナ・ウオッチが折り込まれている訳ではなさそうです。
と、いうのも配布先は「1都6県」と限定されているからです。
1都6県は、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬であると類推されます。


毎日新聞の都道府県別発行部数でみると折り込み広告がある「朝刊」の合計部数は計96万4722部です。


そうなると実際の発行部数は「1・0m(100万部)」が正しいことになります。
ロサンゼルスタイムス(1・6m)、ウォールストリートジャーナル(1・3m)、ニューヨークタイムス(1・7m)よりも実際の発行部数は少なくなり、「桁違い」という表現には違和感を覚えます。
















少なくともこの時点で、数字は部数であり、上念氏の言う「桁違いのお金」という表現が怪しくなってくるわけです。


次回は上念氏の言う「毎日新聞はチャイナ共産党の代弁をしてる」という言葉が、本当なのかを検証したいと思います。




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